先週神戸から預かった被災地への支援ギフトを届けるために、大槌を訪ねました。
小雪の舞うなか訪ねた3月27日から、1ヶ月ぶりの沿岸へ。
道路や瓦礫は所々整理が進んでいましたが、まだまだ途方もない量がそのままとなっています。瓦礫の山となってしまった町に生き残った桜が青空の下、満開でした。なんという光景だ‥‥どう表現したらいいのか‥‥痛々しいだけに、いつもより美しいと思ってしまう。
大槌川を上った山あいの金沢地区にある、旧金沢小学校に行きました。
子供たちが賑やかに遊んでいました。絵の描かれた“たすきバック”に集まってきました。
ここを含めて3つの避難所を管理する、穏やかな倉堀さん(集合写真 中央後ろ)に約50個ほどお渡ししました。
陽気なおじさんが、「酒飲んで花見だなぁ〜」とおどけると、子供たちから「ジュースでしょ!」と突っ込まれていました(笑)。
山あいの場所だけにまだまだ寒く、長い避難所生活。
それでもあるお母さんが「このままずっとみんなでいたい」と言ったのが心に残りました。
魚市場のあった海辺にある赤浜地区を訪ねました。
テレビや新聞で見たことのある、信じがたい象徴的な光景がそこにありました。
赤浜小学校の校庭は桜が満開。眼下に穏やかな海が見渡せます。
漁師さんと思われる風格ある男達が対策本部の前で海を眺めていました。
「あっちにも届けてほしい」と言われて、小学校から少し離れた旧・児童館にもお邪魔しました。
さすが海のある暮らしに生きる女性たち、「かっぽうぎが欲しい!」とたくましく明るい方々ばかりでした。津波の恐怖を目の当たりにして命からがら逃げて大変な思いをしてきたはずなのに笑いが絶えず、かえってこちらが元気をもらいました。
帰路、釜石の港のすぐ上にある石応寺脇の避難所となっているホテルへ。
衣服は足りているとのことでしたが、知っている人に渡したいと何個か喜んで受け取っていただきました。
震災を経験した神戸ならではの取り組みだと、感心していました。
道すがら立ち寄った釜石市栗林地区では、震災後いち早く北海道のNPO団体「ねおす」の方々が現地入りして継続的に活動を展開していました。自然体験のツアーや環境教育を実践している団体です(写真上)。
そして今回、避難所の情報提供や道案内を協力いただいたのが、「バイオディーゼルアドベンチャー」というグループです(写真下 右のお二人)。家庭から出た使用済みの食用油を回収しながら車内に積んだ小型の精製装置で燃料を自ら移動しながら作り、化石燃料を使わずに地球一周を目指すプロジェクトを実践しています。日本1周中の岩手で大地震にみまわれて以来、当地にとどまって連日被災地の避難所を回って必要な物資を届けています。銀河の里の隣町、東和にて持続可能な農業や暮らしのデザインを追求している「ウレシパモシリ農園」の酒匂さんのブログから「バイオ〜」の活動を知って連絡したところつながって、わざわざ夜に銀河の里まで来て話を聞いていただき、協力してもらうことになりました。
ともに自然と深く関わって、自然との共生を掲げて活動している人々だけに、非常時の迅速的かつ的確な生活術・技術的対応や、弱い立場の人々へのまなざし、多くの人に関心をもってもらうためのコミュニケーションの取り方など、さすがだなぁと思いました。特に「バイオ〜」の代表の山田周生さんは世界を股にかけて旅して、多様性ある民族や自然を見てきた人です。詳細かつセンスのよいブログを見ていると、集まってくる仲間も個性派、強者ばかりで熱気にあふれている感じがします。神戸の「たすきプロジェクト」代表・堀内さんも然り、仕事も生き方も国境や職種の枠を越えて活動している人には、集まってくるメンバーや物も良い意味でボーダレスだなぁと感じました。
避難所に行くと、活動を報告するためにも写真に一緒に写ってもらうことをお願いするのですが、みなさん長い避難所生活で疲れきっているはずなのに、快く応じてくれました。ありがとうございます。
今後もできることを継続してお手伝いしていきたいです。希望の春となることを願うばかりです。
【ワークステージ ささきてつや】