そんなリンゴ畑では現在、リンゴの枝を切るノコギリの音が響いています。
リンゴ班は2月より剪定(せんてい)作業を行なっています。剪定作業とは、1年間で約30cm以上も伸びる枝を切って整える作業ですが、ただ切れば良いという作業ではなく、とても頭を使います。基本的には摘果(間引き)や収穫作業の邪魔となる枝を取り除き、日当たりが良くなるように切っていくのですが、数年後にこういう形にしたいとイメージを描きながら、枝を切ったり残したりしなくてはいけません。なので剪定をする人の判断で出来上がっていく木の形が異なり、しかも何年にもかけて形を作っていく、それはまさしく“芸術作品”です。
現在剪定作業を行なっているリンゴ畑の木は、私の祖父が何十年と栽培・管理してきた木で、祖父の作品でもあります。それを受け継いで、私たちなりの形にしようと剪定作業を行なっています。
さすがに素人では難しい作業ですので、農業研究センターの田村様によるご指導のもと2月からの1ヶ月間の作業経過を見に来ていただきました。
1枝ごとに丁寧に説明いただき、そのアドバイスを熱心に聞きます。
実際に剪定も行なっていただき、空間の作り方も学びます。
大きい木のため、柄の長いノコギリを使って切っていただきました。
枝の切り口から病気が入らないように、専用の液体を塗布しています。
切って落ちた木を拾って集めるのも大事な作業。
指導員の田村さんから85点!という高得点の評価をいただき、ほっとする一同。
来週からはわい化(木が低く作業しやすい木)の木の剪定講習を行なっていただく予定です。
この調子で4月までに何とか剪定を終わらせ、植樹、肥料撒き、農薬散布など、春になると忙しくなります!
【おまけ1】
銀河の里に戻る途中の田んぼには、飛来した白鳥が数十羽がいました。もうすぐ春ですね。
【おまけ2】
「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんが遠野市に来るということで行ってきました。
講演では現在取り組んでいる活動や著書の事などを話され、この講演で木村さんという方はとてもまじめで頭の良い方なんだと改めて思いました。原稿などは一切見ずに、その信念を1時間以上に渡って話している姿は、とても60歳を過ぎたリンゴ農家のおじいちゃんには見えませんでした。
同じリンゴ農家としてすぐに無農薬栽培を取り組むには難しい現実があります。リンゴ栽培に関わってまだ3年目の若造ですが、取り組み始めたばかりだからこそ、従来の栽培方法だけにとらわれず柔軟な考えが出来るのかなと思います。
無農薬栽培が当たり前になる時代の波に乗り遅れないように。
【ワークステージ よねざわみつる】